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「お経について思う事」

法話   2014/08/02
2014年08月02日放送

あなたは「お経」にどのような印象を持っていますか。私は小さな時からお経を唱えることが多かったのですが、成人過ぎても只、漠然と「尊い教えではあると思うけれど、自分とは関わりが無いもの」と捉えていました。
そんな私がお経を身近に感じたのは修行の為、大本山永平寺に上山させて頂いてからのことでした。永平寺で最初に配属されたのは大庫院という仏様や修行僧に食事を作らせて頂く所でした。朝御飯の為に他の修行僧より早く起床し、元々包丁すらまともに扱った事ない私は何もかもが勉強で休む暇も無く、毎日が眠い、辛い、頭がボーッとしている状態で「こんなに辛い毎日がこれからも続く、いっそ辞めてしまおうか」と考えていました。そんな中、修行仲間から「今日の御飯美味しかったよ。御馳走様」と言われたのです。本来修行道場に於いて味の感想を口にすることは良いことではないのですが、この言葉を聞いた私は砂漠で水を得た様な感動と活力を頂きました。「今日は疲れたから簡単な物にしよう」と思った時も美味しかったと言ってくれた方がいるという事が私を奮い立たせました。
修証義というお経の中に「愛語」という教えがあります。愛情の愛に語るという字です。見返りを求めず相手の幸せを願い、思いやりの言葉をかけてあげましょうという教えです。修行前の私は「思いやりの言葉と言っても何を言えば良いのか」と迷っていましたが、「美味しかった。御馳走様」大それた言葉ではないこんな身近な言葉で報われ、救われる人がいるという実感を得る事ができました。
私が勝手に遠くに感じていた、正に敬遠していたお経。しかしそれはとても身近で、むしろ身近すぎて忘れがちになっている事を再確認させてくれる教えの宝庫でした。どうかあなたも身近な方への優しい言葉。そこからでもお経に親しんで頂ければと思います。

枝幸町 長林寺
島崎 慧覚

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