法話

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2012年10月13日放送

法話   2012/10/13
2012年10月13日放送

私が住まいする旭川のお寺からは、大雪山が望めます。既に紅葉も終わり、まもなく頂きには、真っ白い雪が光ることでしょう。 本日は、大雪山ならぬ雪山、すなわちヒマラヤ山中にいるという、寒い苦しい鳥と書いて寒苦鳥という鳥の逸話をご紹介いたします。
この鳥は、巣を作らずに、雌雄のつがいで山肌にすむと言われます。夜ともなればヒマラヤの寒さは半端ではありません。 耐え切れなくなった雌は、「寒くて死んでしまう。」と、そして雄は「明日こそ巣を作ろう。」とお互いに鳴き続けるそうであります。 夜が明けて暖かくなりますと、今度は、「常に移り変わる無常の世であるから、今日明日にでも死んでしまうとも限らない。 巣なんか作る必要があるだろうか。」と鳴き合って毎日を過ごしているといったそういう具合のお話であります。
わたしたちは、この逸話から寒苦鳥の滑稽さや、愚かしさといった感想を受け取るわけです。 このことは、無常の意味を取り違え、無常をいいわけにして、日々の生活をのんきに、厳しく言いますと怠惰に過ごしてしまっている、そういう者へ対する違和感を読み取っていることではないのでしょうか。
たしかに、私たちの生きるこの世の中は、常に移り変わり、ひと時たりとも留まることがありません。 私も皆さんも、その家族も日々老いてゆきます。明日まで自分の生命がある保証もありません。 大変な幸運も、とてつもない苦しみも、いつまでも続くことなく確実に変化し続けてゆきます。 であるからこそ私たちは人それぞれどのような状況にあっても、日々の生活を、一瞬一瞬が輝いたものとなるよう、毅然として暮らしてゆくべきでありましょう。
まさに此の事は、人生を信じ、未来を信じることに他ならないと、考える次第であります。

旭川市 慈船寺
菊田 順哉

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