法話

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2010年10月9日放送

法話   2010/10/09
2010年10月09日放送

「私たちは頭で考えるのではなく、手で考えるのである。」九十八才で亡くなった小説家宇野千代さんの言葉です。さらに宇野さんは、「人間の考えることは、その人の行動によって引き出されることが多い。」とおっしゃっています。「考えること」と「行動」の関係を宇野さんはこのように表現されています。
永平寺の道元禅師は、「心と身体の関係」を「心」と「身体」は、分けて考えることのできない一つのものと言われ、行動することが心を育むとお考えになりました。例えば、「あの人は優しい心の持ち主だ」と言われる人がいるとします。その人が優しいと言われるのはその人が優しい“ふるまい”をするからです。「心とは行動」でありこのことを「心身一如(しんじんいちにょ)」と申します。
禅寺の修行は厳しいと言われますが、「立ち居振る舞い」や「作法」が細かく教え込まれるのはこの考え方に基づいています。三度の食事は手を合わせお唱えをして感謝を表していただきます。廊下ですれ違う時は先輩も後輩もなく手を合わせ深々と頭を下げて挨拶をします。このように立ち居振る舞いや作法に他の人のことに思いをいたす仏の慈しみの心が込められています。
宇野さんは「行動することが生きることである」という本の中で、「人生は行動である」と言われています。電車の中で席を譲ること、譲られたら素直に「有り難う」と座ること、笑顔で挨拶をすること、私たちの他の人への思いやりの振る舞いの中にこそ、心が生き生きと現れることを忘れたくないものです。

苫前町 晃徳寺
坂川 資樹

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